2026年8月1日から、介護保険施設やショートステイを利用する一部の方について、食費・居住費(滞在費)の負担限度額などが変わりました。主な変更は、第3段階①・②の食費が日額30〜60円上がること、第3段階②の居住費が一部を除き日額100円上がること、所得区分の基準の一部が80.9万円から82.65万円へ変わることです。
ただし、全員の費用が同じ額だけ上がるわけではありません。利用者負担段階、施設・部屋種別、利用日数、契約で異なります。この記事では、2026年8月21日に確認した厚生労働省の公式資料をもとに、家族が認定証と請求書を確認する順序を整理します。

2026年8月1日から、何が変わりましたか?
変更されたのは、低所得の方の食費・居住費を軽減する「特定入所者介護(予防)サービス費」、一般に補足給付と呼ばれる制度の基準です。厚生労働省は2026年3月13日に居住費の告示、6月22日に所得区分と食費の省令・告示を公布し、いずれも8月1日に施行しました。
発表日・公布日と施行日は別です。5月29日の周知資料は予定を案内したもので、6月22日に所得基準と食費の改正が正式に公布され、8月1日利用分から新基準が適用されています。
| 項目 | 2026年8月からの主な変更 | 確認が必要な人 |
|---|---|---|
| 食費 | 第3段階①・②で日額30〜60円引き上げ | 介護保険施設・ショートステイを利用する該当段階の方 |
| 居住費・滞在費 | 第3段階②で一部を除き日額100円引き上げ | 施設・部屋種別により異なるため認定証と請求書を照合 |
| 第2段階の所得基準 | 年金収入金額等と合計所得金額の合計が80.9万円以下から82.65万円以下へ | 世帯・配偶者の課税状況や資産要件も満たす方 |
| 食費の基準費用額 | 日額1,445円から1,545円へ | 基準費用額は標準的な目安。実際の契約額とは一致しない場合あり |
変更の対象になるのは誰ですか?
中心となるのは、特別養護老人ホーム、地域密着型特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、ショートステイを利用し、負担限度額認定を受けている方です。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の通常の食費・家賃が、この制度で一律に軽減されるわけではありません。
補足給付は、本人だけでなく、世帯全員と世帯分離している配偶者の市町村民税の課税状況、年金収入等と合計所得金額、預貯金等の資産要件で判定されます。生活保護受給者等の第1段階、第2段階、第3段階①・②があり、今回の金額変更はすべての段階に同じように及ぶものではありません。
食費・居住費はいくら変わりますか?
厚生労働省の周知資料では、第3段階①・②の食費は日額30〜60円、第3段階②の居住費は一部を除き日額100円の引き上げです。30日利用した場合の単純な差額は、食費が約900〜1,800円、居住費が対象なら約3,000円ですが、これは日額差に利用日数を掛けた参考値です。
実際の増減額は、外泊日、入退所日、ショートステイ日数、食事回数、施設との契約、部屋種別などで変わります。特に老健・介護医療院等の多床室は、室料を徴収する場合としない場合で区分が異なります。「8月から必ず月4,800円上がる」と一律には判断しないでください。
| 利用者負担段階 | 施設入所の食費(日額) | ショートステイの食費(日額) |
|---|---|---|
| 第1段階 | 300円 | 300円 |
| 第2段階 | 390円 | 600円 |
| 第3段階① | 680円 | 1,030円 |
| 第3段階② | 1,420円 | 1,360円 |
上表は2026年8月1日以降の負担限度額です。居住費は部屋種別と施設種別で日額が細かく分かれるため、厚生労働省資料、負担限度額認定証、施設の請求明細を並べて確認します。
家族は8月分の請求書で何を確認すればよいですか?
最初に差額だけを見るのではなく、認定証・施設種別・部屋種別・利用月を順に照合します。請求額に疑問があるときも、どの条件で計算されたかを整理してから施設へ質問すると確認が進みやすくなります。
- 負担限度額認定証の段階を確認する:第1、第2、第3段階①、第3段階②のどれかを見ます。
- 施設と部屋の種類を確認する:特養、老健、介護医療院、ショートステイ、部屋種別を請求書と契約書で確認します。
- 7月分と8月分を分ける:食費と居住費の日額、利用日数、合計をそれぞれ比較します。
- 施設へ計算条件を確認する:日額や区分が分からない場合は、施設の請求担当へ認定証の段階と部屋種別を伝えます。
- 認定区分は市区町村へ確認する:認定証がない、期限切れ、所得基準に該当するか分からない場合は、保険者の介護保険担当窓口へ確認します。
第2段階の「82.65万円以下」はどう確認しますか?
2026年8月から、第2段階に関係する基準の一部が、年金収入金額等と合計所得金額の合計80.9万円以下から82.65万円以下へ変わりました。老齢基礎年金の満額が80.9万円を超えたことで、低所得者の自己負担に影響が出ないよう見直されたものです。
82.65万円以下だけで対象が決まるわけではありません。世帯全員と世帯分離している配偶者の市町村民税が非課税であること、預貯金等が基準以下であることなど、ほかの要件があります。年金の種類や合計所得金額の扱いを自己判断せず、市区町村の判定を確認してください。
編集部作成:食費・居住費の変更確認シート
親の8月分請求を確認するときは、次の5項目を1枚に並べます。この順序は、金額だけを見て制度対象を誤認しないための編集部作成ツールです。
- 利用先は、特養、地域密着型特養、老健、介護医療院、ショートステイのどれか。
- 負担限度額認定証は、第1、第2、第3段階①、第3段階②のどれか。
- 部屋は、多床室、従来型個室、ユニット型個室的多床室、ユニット型個室のどれか。
- 7月分と8月分の食費・居住費の日額と利用日数はいくらか。
- 金額は施設、認定・申請は市区町村のどの窓口へ確認するか。
介護全体の手続きを整理したい場合は、親の介護で最初に整理することを先に確認してください。制度改正の全体像は、2026年介護保険法改正の記事で整理しています。
よくある質問
有料老人ホームの食費・家賃も一律に上がりますか?
今回の補足給付見直しだけを理由に、有料老人ホームの通常の食費・家賃が全国一律に同額上がるわけではありません。有料老人ホームの費用は契約による部分があり、ショートステイ利用時などを除いて補足給付の対象施設とは異なります。契約先へ確認してください。
第1段階・第2段階の食費も8月から上がりましたか?
厚生労働省の表では、第1段階・第2段階の食費の負担限度額は据え置かれています。ただし、第2段階に関係する所得基準の一部は82.65万円以下へ変わりました。
8月分の請求が高いときは、どこへ連絡しますか?
まず施設へ、適用された利用者負担段階、施設・部屋種別、日額、利用日数を確認します。負担限度額認定証の交付、認定区分、申請については、保険者である市区町村の介護保険担当窓口へ確認してください。
負担限度額認定証は自動更新ですか?
申請・更新方法や必要書類、締切の扱いは自治体で確認が必要です。認定証の有効期限と自治体からの案内を確認し、不明な場合は市区町村へ問い合わせてください。
次の一手:認定証と7月・8月の明細を並べる
まず、親の負担限度額認定証と7月分・8月分の請求明細を用意し、食費と居住費の日額、利用日数、部屋種別を1行ずつ比べます。金額の計算条件は施設、認定区分と申請は市区町村へ確認します。
相談先が分からない場合は、地域包括支援センターへの相談方法または公的な相談先の案内をご覧ください。
出典・確認日
- 厚生労働省「令和8年8月からの特定入所者介護(予防)サービス費の見直し等に係る周知への協力依頼について」(介護保険最新情報Vol.1506)(発出2026年5月29日、2026年8月21日確認)
- 厚生労働省「介護保険法施行規則の一部を改正する省令等の公布について」(介護保険最新情報Vol.1513)(公布・通知2026年6月22日、施行2026年8月1日、2026年8月21日確認)
- 厚生労働省「介護保険制度における利用者負担等の事務処理の取扱いについて」の一部改正について(介護保険最新情報Vol.1532)(発出2026年7月31日、2026年8月21日確認)
- 厚生労働省「介護保険最新情報掲載ページ」(2026年8月21日確認)
本記事は2026年8月21日時点の公的一次情報に基づく一般的な情報です。対象判定や実際の請求額は、所得・資産、世帯・配偶者の課税状況、施設・部屋種別、利用日数、契約、自治体の認定で異なります。個別の認定・申請は市区町村、請求内容は施設へご確認ください。