2026年の介護保険法を含む改正法は6月25日に公布されましたが、家族の手続きがすべて同日から変わったわけではありません。原則の施行日は2027年4月1日です。有料老人ホーム制度やケアマネジャーの更新制などには、公布後1年6か月・2年・3年以内の政令で定める日から施行する項目もあります。
この記事では、2026年8月14日に確認した厚生労働省、衆議院、参議院の公式情報をもとに、公布済みの内容、施行時期、今後の政令・省令を待つ内容を分けて整理します。個別の契約、費用、サービス利用の可否を判断する記事ではありません。

2026年介護保険法改正は、いつ公布・施行されますか?
正式名称は「社会福祉法等の一部を改正する法律」(2026年法律第51号)です。国会で2026年6月19日に成立し、6月25日に公布されました。介護保険法だけでなく、社会福祉法、老人福祉法、社会福祉士及び介護福祉士法など複数の法律を改正します。
施行日は一律ではありません。原則は2027年4月1日ですが、一部は公布日から施行済みで、別の項目は公布後1年6か月以内、2年以内、3年以内に政令で定める日から施行されます。「法改正が公布されたこと」と「個別制度がすでに始まったこと」を分けて読む必要があります。
| 確認区分 | 2026年8月14日時点の状態 | 家族が注意すること |
|---|---|---|
| 公布済み | 法律第51号として2026年6月25日に公布 | 改正の方向は決まっています |
| 施行日確定 | 原則2027年4月1日。一部は公布日施行 | 項目ごとの日付を確認します |
| 詳細待ち | 政令日、省令、対象要件、負担額などに未確定事項あり | 現時点で金額や対象を決めつけません |
親の介護をする家族に、今すぐ新しい手続きは必要ですか?
厚生労働省の概要資料だけを根拠に、すべての家族へ直ちに新しい申請や契約変更が必要とはいえません。多くの主要項目は2027年4月以降、または今後政令で定める日から施行されるためです。現在利用中の介護サービス、要介護認定、施設契約は、自治体や事業者から具体的な案内がない段階で自己判断により変更しないでください。
今できるのは、親の状況に関係する項目を絞り、現在の制度と将来の変更を分けて記録することです。要介護認定をこれから申請する場合は、現行の要介護認定の申請手順を住所地の市区町村で確認します。
家族への影響が考えられる主な改正は何ですか?
家族の関心に近い主な改正は、有料老人ホームの登録・相談支援、頼れる身寄りがいない高齢者等への支援、地域の介護サービス体制、介護被保険者証の電子資格確認などです。ただし、対象となる施設や地域、負担、手続きの詳細には今後定められる事項が含まれます。
有料老人ホームの登録制度と相談支援
中重度の要介護者など、特に入居者保護の必要性が高い人を入居対象とする有料老人ホームに登録制度が導入されます。登録対象の住宅型ホームでは、ケアマネジメント事業者や介護サービス事業者との独立性を確保する措置、新たな「登録施設介護(予防)支援」も予定されています。
新しい相談支援には原則1割の利用者負担を求める考えが示されていますが、対象ホームの具体的要件、費用額、経過措置は現時点で確定した案内がそろっていません。施設探しでは、今すぐ「改正後の登録施設か」を断定せず、現行の重要事項説明書、契約内容、サービス選択の自由、相談先を確認します。
頼れる身寄りがいない高齢者等への支援
日常生活、入院・入所の手続き、死後事務などを支える事業を第二種社会福祉事業に位置付け、相談体制を整備する改正です。資力要件に該当する利用者には、一定割合以上を無料または低額で提供する仕組みが示されています。
誰が対象になるか、どのサービスをどこで利用できるかは、今後の制度整備と地域の実施状況を確認する必要があります。家族や本人が現在困っている場合は、施行を待たず、現行の地域包括支援センターや自治体窓口へ相談してください。
地域のサービス体制と介護保険証
中山間・人口減少地域では、地域の実情に応じた特例介護サービスや、市町村が委託等により実施する事業が新設されます。また、介護被保険者証には電子資格確認を導入する見直しが盛り込まれています。どの地域・サービスが対象となるか、紙の証の扱いや利用方法は、今後の公式案内を確認します。
ケアマネジャーの更新制廃止で、家族の相談先は変わりますか?
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、研修受講を要件とした資格更新の仕組みが廃止され、一度交付された資格は期限だけで失効しない制度へ見直されます。一方、定期的な研修は継続し、事業者には研修受講のための措置を講じる役割が示されています。
この項目の施行日は、公布後1年6か月以内に政令で定める日です。2026年8月14日時点では、その日付を前提に現在の担当ケアマネジャーを変更する必要はありません。個別の担当や支援内容に関する相談は、現在の居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、自治体へ確認します。
まだ決まっていない要件・費用・例外は何ですか?
改正法には、政令・省令や自治体の条例・運用で具体化される事項があります。特に、有料老人ホームの登録対象となる入居者要件、運営・人員基準、新しい相談支援の具体的な報酬と利用者負担、経過措置、電子資格確認の利用方法は、今後の公式情報を待つ必要があります。
「原則1割」という資料上の表現だけから、個別の支払額を計算することはできません。所得区分、高額介護サービス費等との関係、実際のサービス費、開始日など、必要な情報がそろってから確認します。また、自治体が新しい事業を実施するかどうか、対象地域に該当するかにも違いが生じる可能性があります。
編集部作成:家族向け変更確認シート
改正情報を読むときは、次の順で確認します。この順序は、公布日と施行日を取り違えたり、未確定の費用を確定情報として受け取ったりするのを防ぐための編集部作成ツールです。
- 関係する項目を選ぶ:施設、身寄りのない人への支援、地域サービス、介護保険証など、親の状況に近い項目だけを選びます。
- 状態を3つに分ける:「公布済み」「施行日確定」「詳細待ち」を分けます。
- 現在の手続きと混ぜない:自治体や契約先から案内がない段階で、現行の手続きや契約を自己判断で変えません。
- 公式確認先を決める:全国制度は厚生労働省、地域運用は自治体、契約は施設・事業所へ確認します。
- 次回確認日を残す:政令・省令や自治体案内が出たときに再確認できるよう、日付と未確定事項を記録します。
相談先が分からない場合は、地域包括支援センターへの相談方法を確認してください。親の状況全体を整理したいときは、親の介護で最初に整理することも役立ちます。
よくある質問
2026年6月25日から介護サービスの費用は変わりましたか?
この改正法が公布されたことだけを理由に、すべての介護サービス費が同日から変わったわけではありません。改正事項ごとに施行日が異なり、費用の詳細を今後定める項目もあります。利用中サービスの負担は、自治体や事業者からの個別案内で確認してください。
有料老人ホームの新しい登録制度は、すべてのホームが対象ですか?
厚生労働省は、中重度の要介護者など、特に入居者保護の必要性が高い人を入居対象とするホームを登録対象とする考えを示しています。具体的な対象要件や経過措置は、今後の政令・省令等を確認する必要があります。
ケアマネジャーの資格更新は、もう廃止されましたか?
廃止する法律は公布済みですが、施行は公布後1年6か月以内の政令で定める日です。施行までの取扱いは、厚生労働省や都道府県の案内を確認してください。
親に頼れる身寄りがいない場合、すぐ新制度を利用できますか?
新しい事業の一部は公布後2年以内の政令日などから施行されるため、現時点で全国一律に利用開始されたとはいえません。現在困っていることがある場合は、地域包括支援センター、自治体の高齢者福祉窓口、生活困窮者相談窓口など、既存の相談先へ連絡してください。
次の一手:親に関係する項目と未確定事項を1つずつ確認する
まず、親の状況に関係する改正項目を1つ選び、「施行日」「対象要件」「現在の手続きへの影響」「次の公式確認先」をメモします。2027年4月1日の原則施行だけで判断せず、項目ごとの例外や政令日を確認してください。
出典・確認日
- 厚生労働省「介護保険制度の概要/令和8年介護保険法改正」(2026年8月14日確認)
- 厚生労働省「社会福祉法等の一部を改正する法律の概要について」(2026年8月14日確認)
- 厚生労働省「社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について(通知)」(発出2026年6月25日、2026年8月14日確認)
- 衆議院「第221回国会 閣法第45号 審議経過情報」(2026年8月14日確認)
- 参議院「社会福祉法等の一部を改正する法律(令和8年法律第51号)」(2026年8月14日確認)
本記事は2026年8月14日時点の公的一次情報に基づく一般的な情報です。改正事項ごとに施行日が異なり、対象要件、利用者負担、手続き、経過措置は今後の政令・省令・自治体案内で具体化される場合があります。個別の契約・費用・手続きは、自治体、地域包括支援センター、ケアマネジャー、施設、必要に応じて法律等の適切な専門先へご確認ください。